第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会

和歌山工女子部員、チームを鼓舞 日本代表目指す、森本里菜選手(3年) 男子と同じ練習こなす /和歌山

 「もっとポジショニングを早く。ディフェンスできんで」。27日開幕の第97回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社など主催)に出場する和歌山工のグラウンドに、力強い女性の声が響く。試合には出場できないものの、初の女子プレーヤーとして男子と同じ練習をこなしてきた森本里菜選手(3年)の姿は、チームを鼓舞してきた。県大会決勝ではユニホームを着てウオームアップを先導、優勝の歓喜の輪の中で笑顔をはじけさせた。

 ユニホームは決勝前日に岡本尚也監督(27)が手渡してくれた。規定で試合には出られず背番号はないが、「3年間一緒に頑張ってきた仲間なので」。

 5歳年長の兄・真貴(まさき)さん(23)の影響で小学1年生から大阪府岬町のラグビースクールに通い始めた。「相手と激しくぶつかるイメージで怖かった」が、負けず嫌いな性格からラグビーにのめり込んでいく。ただ、中学生になると男子との体格差が大きくなり、ぶつかっても「女子だから……」と相手に手を抜かれている気がし、競技から離れようとも思った。「他の選手に負けていられない」と思い直して和歌山工に入部したものの、当初は体が細かった。炭水化物を多めに1日5回食事して筋力トレーニングを重ね、今では30キロのダンベルを軽々と持ち上げる。昨年は全国高校女子合同大会に出場し、女子ラグビー部がある大阪の高校の練習試合にも参加した。

 今年は、全国大会期間中に花園ラグビー場で開催される「U18花園女子15人制」東西対抗の西軍入りを目指していたが、1月の練習中に右膝の前十字靱帯(じんたい)を損傷し、選考会を受けられなかった。それでも、ケガをしない体を作ろうと居残りして一人黙々と走り込む姿を、多くの男子部員がみている。上野山元輝選手(3年)は「僕たちはきつい練習を乗り越えれば試合に出場できるが、里菜は出場機会がない。その中でも頑張っている」と話す。

 今秋に亡くなった浜口博行前監督からは「やるからには上を目指せ」と言われ、「日本代表でプレーする」という約束を交わした。来春には大学の女子ラグビー部に入部するつもりだ。「和工で改めてラグビーを好きになった。お世話になった人にいい報告ができるように頑張りたい」と夢に向かって楕円(だえん)球を追う。【木原真希】

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記事(提供:毎日新聞/2017/12/23 14:37)

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