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山口善戦、意地見せる 15-40、松山聖陵に敗れる 花園で1勝、OBら後輩たたえる /山口

(2016/12/31 12:46)

 第96回全国高校ラグビー大会は30日、東大阪市花園ラグビー場で2回戦があった。山口は松山聖陵(愛媛県代表)と対戦。3トライを奪うなど随所に持ち味を見せたが、15-40で敗れた。第1グラウンドのスタンドは大勢の保護者やOBらが駆けつけた。【真栄平研】

 山口は試合開始早々にトライを奪われ、7点を追う展開。前半23分、FW藤井陽輝主将(3年)が負傷し途中交代するアクシデントもあったが、徐々に攻めに転じる。

 同25分、SO右近幸也選手(同)がボールを高く蹴ると、WTB藤村哲平選手(同)が押さえてトライ。「哲平が取ってくれると思った」と振り返った息の合ったプレーで、2点差に迫った。藤村選手の母宣子(のりこ)さん(49)は「他の選手が頑張ってくれてトライまで行けた」と力を込めた。

 しかし、前半終了間際に2本目のトライを許すと、後半は松山聖陵ペース。連続トライされるとスタンドでは「取り返すよ」と声が飛んだ。山口は後半15分にモールで敵陣に迫りトライを奪ったが、3分後に松山聖陵に突き放される苦しい展開。卒業生の大学2年、名護屋和(なごみ)さん(20)は「最後まで頑張ってほしい」とメガホンを手に声援を送った。

 同24分、ラックから素早く持ち出したNO8宮川透也選手(2年)がトライ。「3年生をここで終わらせたくない」と意地を見せた。スタンドも逆転を信じ「や・ま・こう」の大合唱。しかしノーサイドとなり、スタンドの応援団は立ち上がって「胸を張れよ」と、フィフティーンに惜しみない拍手を送った。

 前主将の岩本海斗さん(19)は「花園で1勝という目標を達成してくれた」と後輩をたたえた。中江洋平監督の父で同じ山口の選手として69大会前に出場し、1勝を挙げた武人さん(86)もスタンドで観戦。「今日は良い相手と試合をした。来年が楽しみだ」と話した。

安倍首相から電報

 ○…山口の選手が泊まる奈良市内のホテルに29日、安倍晋三首相から電報が届いた。69大会ぶりの勝利を祝い、2回戦に臨む選手らを激励する内容。中江監督が夕食後に読み上げると、選手から歓声とどよめきが上がったという。

 安倍首相の父晋太郎元外相は山口(当時は山口中)の卒業生。宮川透也選手は「最初は冗談かと思ったが、頑張ろうと力になった」と刺激を受けていた。

展開ラグビー支える 鹿取温希(かとりはるき)選手(3年)

 身長153センチ、体重51キロから生み出されるテンポの良いパスで、山口が得意とする「展開ラグビー」を支える存在だ。

 山口大付属山口中時代はバスケットボール部だった。山口高に入学後、同じ中学だった藤井陽輝主将に誘われてラグビー部を見学。短い練習時間中、積極的に声を出しプレーする先輩らの姿に「面白そう」と入部した。岩崎洋部長から「スクラムハーフ(SH)というポジションがある」と紹介されたのも決め手になった。当時の体重は43キロ。学業との両立やけがを心配する両親を自ら説得した。

 SHはスクラムから出たボールをスタンドオフ(SO)にパスするなど、常にボールの近くにいて攻撃のリズムをつくるポジションだ。しかし、入部当初はパスしたボールが味方に届かず「下手だった」と笑う。中江洋平監督も不安を感じたが、逆に「試合に出られる選手にしたい」と指導に熱が入った。

 体格の違いを速いボール回しと豊富な運動量でカバーしてきた。チーム練習後は欠かさず二、三十分間、後輩相手にパス練習し精度を磨いた。ここ数カ月間はダッシュしながらのパスを毎日50本こなし体力を強化。中江監督が「流れを生み出す重要な存在」と認めるまでに成長した。

 28日の1回戦は、対戦相手と接触し鼻血が止まらなくなったが「できるだけ多くプレーしたかった」と応急処置を受けながらプレーを続行、69大会ぶりの勝利に貢献した。この日の2回戦でも敵陣ゴール前で自ら突進しトライにつなげた。

 高校は理数科で、難関国立大を志望。今春からは朝5時に起きて勉強している。今大会中の宿舎でも約2週間後に迫ったセンター試験対策を進めた。

 試合後のロッカールームで涙で顔をぬらしたが「ボールを動かすことだけを考えていた。結果は悔しいけど、最後まで走って、やり切った」と花園でのプレーを振り返った。

〔山口版〕

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