全国高校ラグビー大会 HANAZONO LIVE

1回戦 富山第一、花園1勝ならず 終了間際、会心のトライ スタンドから「よくやった」 /富山

(2016/12/29 16:23)

 第96回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)は28日、東大阪市花園ラグビー場で1回戦が行われ、3年ぶり9回目出場の富山第一は第3グラウンドで、山口(山口)と対戦し、15-24で敗れた。県勢2年ぶり、同校5年ぶりの初戦突破はならなかった。試合終了間際にトライを奪うなど、リードされてもノーサイドの笛が鳴るまで懸命にボールを追いかけ続けた富山第一フィフティーン。スタンドの保護者や生徒からは「頑張った」「よくやった」と惜しみない拍手が送られた。【大東祐紀】

 ▽1回戦

山口 24 17-5  15 富山第一

       7-10

 何度阻まれても細かくパスをつなぎ、アタックを繰り返す“富一”の波状攻撃。最後の最後に“らしい”攻撃を見せた。後半29分、ゴール前の混戦からSH青山佳希選手(2年)がゴール左隅にトライ。苦しめられていた相手の守備を試合終了直前に突き崩したが、無情にもノーサイドの笛が鳴った。

 SO石塚弘泰主将(3年)は「攻撃の時にサポートを増やすなどプレーの中で少しずつ修正できた」と振り返る。試合が進むにつれ富一の特徴である連続攻撃が実を結ぶようになった。後半のスコアだけを見れば、10-7で富一が上回ったが、序盤の失点があまりに痛すぎた。

 「相手にリードされ浮足立ってしまった」と河合謙徳監督。序盤は初の大舞台の緊張でいつも通りのプレーができなかった。前半4分、相手バックスにパスをつながれあっけなく先制点を許すと、同7、16分にもトライを奪われ、点差は一気に17点に。広がった点差は攻撃面にも悪影響を及ぼし、ハンドリングミスや反則などを繰り返した。

 だが、同23分にバックスが展開し、左WTB新田純也選手(3年)がチーム1本目のトライを奪うと、後半3分には左ロック前川海哉選手(2年)も追加点を挙げるなど、徐々に自分たちのペースを取り戻した。焦らず時間と人数をかけて少しずつ相手陣に攻め入るようになったが、それでも、相手の出足鋭く粘り強い守備の前に、あと一歩のところで阻まれることが続いた。

 試合終了後、泣きじゃくったフィフティーンだったが、石塚主将は「1勝を目標にしていたので悔しい。でも『ONE TEAM』という富一のスローガン通り、チーム全員で一つになって戦えた。後輩には来年またここに戻ってきてほしい」と前を向いた。スタメン15人中9人が1、2年生の若いチーム。来年こそ、花園での勝利が実現するはずだ。

元野球部、人一倍努力 左WTB・新田純也選手(3年)

 無心で走った。前半23分、ゴール前25メートルの右ラインアウトから展開されたボールを受け取ると、軽快なステップで相手1人をかわし、チーム最初のトライを決めた。「流れを変えたかった」。50メートル6秒2とチーム1の快足は、立て続けに3トライを許した嫌なムードを吹き飛ばした。

 実は3年生の中で最もラグビー歴が短い。高校入学後、最初に入ったのは強豪の野球部だったからだ。甲子園を目指して一般入試を経て入部したが、周りは特待生や推薦入試組のエリートばかり。高いレベルの練習についていけず、1年の11月に退部した。「もうしんどいことはやめよう」

 後ろ向きな気持ちを変えたのは、河合監督だった。退部してすぐ「お前の道は終わっていない」と、入部を熱心に勧められた。悩んだが、心を動かされ、翌年2月に入部した。

 だが、ラグビーのルールすら知らなかった。同級生との遅れを取り戻すべく、インターネットの試合動画を見てルールを覚えることから始め、誰よりも熱心に練習に取り組んだ。そして、昨秋の新チーム移行後はレギュラーに定着した。

 卒業後は日本大でラグビーを続けるつもり。「全国でも通用する実感がわいた。大学でもスタメンになれるよう頑張る」。涙をふき、次の道へと歩み始めた。【大東祐紀】

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