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巻き起こせ、浜松工旋風 あす初戦、米子工と 伝統の堅守に多彩な攻撃 /静岡

(2016/12/27 10:23)

 27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する第96回全国高校ラグビーフットボール大会(毎日新聞社、日本ラグビー協会など主催)に、3年ぶり5回目の出場を決めた浜松工。FW、BKが一体となって攻める「フルモーションラグビー」をものにしたフィフティーンは、県大会を圧倒的な力で勝ち抜いてきた。主将でNO8の大塚滉生(こうき)選手(3年)は「目標は2回戦を突破し、正月を花園で迎えること」と闘志を燃やす。浜松工ラグビー部の初戦は28日午後2時、米子工(鳥取)と対戦する。【竹田直人】

 「浜工のラグビーは変わったなあ」。県大会予選、分厚い攻撃ラグビーによる破竹の快進撃に、県ラグビー協会役員がつぶやいた。

 「フルモーションラグビー」。2年前から浜松工を率いる吉本敬監督(33)が作ったスローガンだ。FW、BKがポジションに関係なく動き回って展開攻撃を繰り広げる。伝統の堅守に多彩な攻撃が加わった浜松工は、県大会3試合で平均83点を奪い、花園への切符を勝ち取った。

 15人がフィールドを広く使って展開するフルモーションラグビーには、巧みなハンドリングスキル(技術)と豊富なフィットネス(体力)が欠かせない。

 「右だ、右!」。浜松工グラウンドに大きな声が響く。ウオーミングアップとして行われることが多いタックル無しのタッチフットだが、浜松工の選手たちの表情は試合さながら。フィールドの横幅は試合と同じサイズで行われ、自然と試合勘と技術が鍛えられる。

 タッチフットの後は、エディー・ジョーンズ日本代表前ヘッドコーチが東海大のコーチ時代に導入した「スペース」。相手選手の間にできたスペースにボールを投げ入れ、走り込んだ選手がキャッチし前進する。これによって正確なパスと相手守備の穴を見つける視野の広さが培われる。

 「現役の頃から、走るだけの練習は嫌いだった」と語る吉本監督は10種目のトレーニングを用意し、体力を強化してきた。

 たとえば長縄跳び。9分間も跳び続ければ、ふくらはぎはパンパンになり、真冬でも汗が噴き出る。グラウンドを半周走ってからスクラムマシンを押す過酷なメニューもある。フィットネストレーニングを終えた石原佑隼(ゆうと)選手(2年)は息を切らしながらも、「これが気持ちいいんです」と笑顔を見せた。独自練習の充実度がうかがわれる。

 さまざまな工夫を凝らして完成したフルモーションラグビー。新生・浜工が花園に旋風を巻き起こす。

勝利に導く判断力 WTB・中川恭公(やすな)選手(3年)

 いかにも精悍(せいかん)な顔つきが、心に秘めた責任感を感じさせる。

 2年春まではFWのフッカーとして、スクラムやラインアウトの要として活躍していた。しかし、50メートル走6・6秒の俊足を吉本敬監督に買われ、チームの点取り屋のWTBにコンバートされた。

 最前線で体を張り続けるフッカーから見ると、WTBは「楽そうだな」と思っていた。フッカーに未練もあったが、新たなポジションに挑戦してみて分かったことがあった。

 フィールド全体を見渡し、チームメートに指示を出す。ボールから離れている時間が長いWTBやFBには、冷静な判断力と的確な指示が求められる。

 県大会決勝の後半20分。試合を決めたトライでSO小池悠太選手(3年)の芸術的なキックパスを呼び込んだのは、中川選手の「左にいるぞ」という声があってのことだった。

 トライを挙げるだけではないWTB。花園に響く的確な指示の声が、勝敗の鍵を握りそうだ。

力と技で積極的に プロップ・桜井登夢(とむ)選手(2年)

 身長の高い選手が少ない浜工フィフティーンの中で、身長178センチ、体重110キロはひときわ目立つ。この体格を生かした力あふれる突進が持ち味で、ここぞという場面にBKのラインに入って相手守備網をぶち破る。浜工フルモーションラグビーの申し子だ。

 そのパワーはだてじゃない。浜松市立都田中時代には、陸上の投てき種目で県大会王者に上り詰めたほど。陸上の名門校から誘いもあったが、「チームメートと勝利を喜べるラグビーがやりたい」と浜工の門をたたいた。

 浜名湖ラグビースクールで小学2年から楕円(だえん)球を追い始めたため、ハンドリング技術も高い。県大会では、BKラインに入り、巨体に似合わぬ器用なパスで決定機を演出することもあった。

 普段は柔和な笑顔が印象的な“いじられキャラ”。しかし、キックオフのホイッスルを聞くと、表情は一変する。大塚滉生主将も「試合中の登夢は自分から積極的に仕掛けることができる」と一目を置く、驚異の2年生だ。

県大会の結果

 ▽2回戦

浜松工 107 50-0 0 合同

        57-0

合同=静岡東・桐陽

 ▽準決勝

浜松工 109 41-0 0 焼津水産

        68-0

 ▽決勝

浜松工 33 12-0  12 静岡聖光学院

       21-12  

浜松工の選手

 1 百野祐稀 (3) 171 80

 2 石川右京 (3) 166 75

 3 桜井登夢 (2) 178110

 4 池本拓生 (3) 178 72

 5 匂坂伊吹 (3) 172 91

 6 藤田直久 (3) 162 70

 7 渡辺颯誠 (3) 170 77

<8>大塚滉生 (3) 170 85

 9 小笠原一太 (3) 162 60

10 小池悠太 (3) 175 74

11 中川恭公 (3) 167 71

12 村松昴弥 (3) 168 82

13 石井優希 (3) 173 80

14 諏訪部凱哉 (2) 172 80

15 増田巧 (2) 178 87

16 大塚絢也 (1) 178 91

17 荒井優月 (2) 165 82

18 野嶋友佑 (2) 172 70

19 小川智司 (2) 173 74

20 西岡隆 (3) 154 53

21 山瀬楓稀 (3) 165 73

22 栗田和輝 (3) 168 76

23 藤田涼雅 (2) 165 68

24 小林雅也 (2) 168 72

25 野末裕亮 (3) 160 70

※登録番号順で<>囲みは主将。左から氏名、学年、身長(センチ)、体重(キロ)

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