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第6章 80年代のアメリカン・ロック

(その4)ブラック・ロック・アーチストとその他のブーム
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 マイケル・ジャクソン、プリンスの大ブレイクは、そ
の後のロック、ポップのカテゴリーを大きく変えていく
ことになりました。それは、白人のマーケットだけでは
なく、ブラックアーチストも参入できる、いわばボーダ
レスなジャンルになったということです。その結果、必
然的に起こった出来事は、白人と黒人のコラボレーショ
ン作品やグループが出現、しかも大ヒットするという動
きでした。

♪ザ・パワーステーション
 /サム・ライク・イット・ホット('85年)

 デュラン・デュランのメンバーから、ジョン・テイラ
ー、アンディテイラー、そしてシックのメンバーからト
ニー・トンプソン、それにロバート・パーマーの4人で
結成されたセッションバンド。特にイギリス人3人とア
メリカのブラック・アーチストが集まったとあって、話
題になった。白人と黒人の見事なコラボレーションで全
米6位の大ヒットとなる。

♪RUN D.M.C
 /ウォーク・ディス・ウェイ('86年)

 ラップ/ヒップホップの代名詞であったユニットに白
人ハードロックバンド、エアロ・スミスのメンバーが参
加。ビデオも意味ありで大ヒット。特に日本ではラップ
/ヒップホップという言葉とジャンルがメジャーになる
きっかけとなった作品。ファッションも大ブームになっ
たし、アメリカでは、エアロスミスがふたたび全盛期メ
ンバーで大ヒットを飛ばす原動力となった。

 この後、リヴィング・カラーやレニー・クラヴィッツ、
そしてトレイシー・チャップマンなど、オルタナティブ
なロックにもブラック系アーチストが出現、ヒットチャ
ートにはラップ/ヒップホップ系の曲が入るなど、もは
や、ブラックパワーはR&Bの世界だけではおさまらな
いものになっていくのです(現在はもっとすごい)。

 ところがそんな反面、西海岸のLAあたりでは、白人
がつくってきたアメリカンロックをひきついだ、ロック
バンドたちが、次々と登場。LAメタルと呼ばれる新し
いジャンルをつくり出していたのです。

♪MOTLEY CRUE

’82年にデビュー。LAメタルブームの中心的存在。
’83年リリースのセカンドアルバム“シャウト・アッ
ト・ザ・デビル”がダブルプラチナに。その後2年間、
ヴィンスニールの事故により活動休止するも、’85年
のこのアルバムで見事に復活、現在も活動中(すごい!)

♪RATT

’84年デビュー。ブームにのっかってデビューしたこ
ともあり、のっけからプラチナアルバムを連発。自らの
音楽を“ラットンロール”と呼び、LAメタル界では、
特に売れたグループのひとつ。

 まぁ、このLAメタル、ブームとはいえ、数えきれな
いほどのバンドが次々とデビューしてました。でもそん
なブームのきっかけをつくったのはやっぱりバン・ヘイ
レンでしょう。“ジャンプ”の大ヒットがなかったら、
ここまでマーケットはひろがらなかったと思います。

 ちなみにこのLAメタル、日本でも大ブレイク、日本
中にヘヴィメタル、略して“ヘビメタ”という言葉が認
知されました。(ファッションも)

 ということで、MTVをきっかけとした80年代のア
メリカのロックのおおまかな流れは、後半のラップ/ヒ
ップホップを中心とするブラック・アーチストのパワー
アップと、ヘヴィーメタルのブームなどをうみ、90年
代へと突入していきます。

 90年代に入ると、ラップ/ヒップホップはよりハー
ドコアな方へ進み、ギャングスタラップなどのストリー
ト系ラップに変化していきます。と同時にふたたびR&
Bも復活、正統派コーラスグループなどが次々にヒット
を出し、チャートをうめつくしていくのです。

 一方、ヘヴィーメタルは、よりパンキッシュなテイス
トをブレンド、そこにストリート性をプラスしたミクス
チャーロック、そしてグランジ・オルタナ系へと姿を変
えていくのです。

 いずれにせよ、もとをたどればMTVにつながってい
くところから、アメリカのロック史はMTV前とMTV
後で大きく分けることもできる、と言えるでしょう。



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