サザン・ロックとは、そのものズバリ、南部でうまれ、
育ったロックのことであります。
そもそも、このアメリカ南部地方は、ブルース、R&
B、カントリーなどのいわゆるルーツ・ミュージックが
共存するすばらしい土地であったのです。
その中でうまれたロックは、骨太で土臭く、でもどこ
となく情緒的で、またファンキーでもある、というすば
らしい音楽性を持ったのです。そしてこの南部の別の特
長は人柄であります。土地柄ともいえるかもしれないけ
れど、何しろ南部の人たちは大らか。悪く言えばルーズ
となるくらい、のびやか。こののんびりと気ままに生活
することを“レイド・バック”と呼ぶのですが、南部の
ロッカー達も基本はこのレイド・バックでした。
このように、うまくルーツ・ミュージックを取り合わ
せ、レイドバックで育てたロックは、言葉とともにアメ
リカ全土にひろがっていったのです。同意語で「テイク
・イット・イージー」なんちゅうのもあった。それでは
サザンロックの代表者たちを紹介しましょう。
♪オールマンブラザーズ・バンド
/ステイツボロ・ブルース(’71)
言わずと知れた伝説のサザンロックバンド。’69年
にデビュー。なんと、彼らのレコード会社は、ジョージ
ア州メイコンという小さな街に設立されたキャプリコー
ンというレーベル会社だった。71年の“フィルモア・
イースト・ライブ”の大ブレイク、そして彼らのアメリ
カで行ってないのは砂漠とロッキー山脈だけ、と言われ
るくらい苛酷なツアーのおかげで、サザン・ロックと南
部は注目を集めたのだ。残念ながら、'71年 兄のデュ
アン・オールマンがオートバイ事故でこの世を去る。
♪レイナード・スキナード/フリーバード(’73)
アル・クーパーがジョージア州アトランタに設立した
サウンズ・オブ・ザ・サウスというレーベルの第1弾と
して '73にデビュー。サザンロック系の特長のひとつ
でもありますが、ギターが多い。このグループもトリプ
ルギターが売りのひとつだったのだ。
ヴァンザント3兄弟も有名ですね。(ロニー、ダニー、
ジョニー)残念ながら、77年に飛行機事故でロニーを
ふくむメンバー3名が他界。(ストリート・サバイバー
ズのジャケットはさわぎになった。)
+ + +
とまあ、このようにサザンロックといえば、この2大
バンドの存在なしでは語れません。同時に、レイドバッ
クを支持するかのように、ミュージシャンサイドに立っ
たレーベルが2つ南部に設立されたのもサザンロックが
ブームになる原動力となったことは忘れちゃならないこ
と。
もう1つ、スワップ・サウンドと呼ばれたレオン・ラ
ッセルも、自らシェルターレーベルをつくってがんばっ
ていたのだ。
この一連の動きにより、南部、そしてサザンロックは
一気にアメリカンロックの台風の目となり、あげくに南
部以外のグループまでにも飛び火して一大ブームとなっ
たのです。
CCR、リトルフィート、そしてエリック・クラプト
ンもサザンロックにはまってしまったのです。(デレス
&ドミノス→レイラ)
<サザンロックのおさらい>
都会からみればただの田舎であった南部。でもそこに
は、レイドバックと呼ばれるのんびりとした生活と、ク
オリティーの高いルーツミュージック、そしてそれらを
育てる大自然があった。
ここでのびのびと育った骨太な音楽にはとても大きな
ロマンがあったのです。都会人達はこれに憧れていたの
と同時に、アメリカらしさを再発見させられたのでした。
そしてそれを後おしするようにすばらしいレコード会
社が出現、ますますサザンロックは力をつけ、全米へと
ひろがっていったのです。
また、この南部フィーバーは、音楽以外にも飛び火し
ており、’76年に元アトランタ州知事であったジミー
・カーター氏がみごとアメリカ大統領になるなど、この
頃の南部は何をとってもアメリカで一番ホットな所だっ
たのです。
とは言ってもブームはブーム。いつかは終わってしま
うものです。代名詞的なグループのアクシデントも手伝
ってサザンロックは70年後半には失速してしまうので
した。それに変わって登場するのが、A.O.Rという
また都会的な音楽なのです。
(次回は「A.O.R」)
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