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第4章 60年代のアメリカン・ロック

(その2)サーフィン&ホットロッドサウンド
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 NYを中心に東海岸で流行したフォーク・ソング。い
くらこのフォーク・ソングが知的で社会的に意味のある
ものであったとしても、当時のアメリカ音楽は、プレス
リー以降のロックンロール、そしてポップスが主流であ
った。そして何よりも西海岸あたりの音楽は、このフォ
ーク・ソングの背景とはまったく正反対の状況だったの
です。カリフォルニアの温暖な気候からくる若者たちの
エネルギーは、こむずかしい政治のことよりも、いろん
なあそびの方へそそがれていた。まぁ、あたりまえと言
えばあたりまえですな。そんな中、登場したのが、サー
フィン&ホット・ロッド・サウンド なのです。

◆サーフィン・ミュージック

 西海岸といえばビーチ。そしてサーフィン。1950
年代末ごろからサーファー達のあいだでもりあがりだし
た音楽。はじめは主にインストゥルメンタル、いわゆる
BGM的なものだったが、これに日常のサーフィンの歌
詞つけ、ハーモニーを入れ、ボーカルスタイルに仕上げ
たのが、ビーチ・ボーイズです。

♪サーフィン・サファリ/ビーチ・ボーイズ(62年)

 61年にデビューした5人組の学生バンド。特に不自
由な事なく育ったゆえに、サーフィンや音楽など、楽し
みながら10代を過ごした。そんな彼らの楽しく明るい
日常を歌ったサウンドが、ティーン・エイジャーにうけ
た。(63年  サーフィンUSA、サーファーガール)

♪サーフ・シティ/ジャン&ディーン(63年)

 ロサンゼルス出身の2人組。58年にデビュー。デビ
ュー時は、ドゥーワップ的な音楽をしていたが、60年
代からビーチ・ボーイズと交流を持ち、この曲でサーフ
ィン・ミュージックの人気者となる。

 てなわけで、この2組を代表とするサーフィン・サウ
ンドは大人気を得ることになるのでした。

◆ホット・ロッド

 南カリフォルニアの若者達は、サーフィン以外にもい
ろいろ楽しんでいた。クルージング、ドラッグ・レース、
そしてビーチ・パーティ。どれもウハウハのあそびであ
ります。そして、このあそびに欠かせないもの、それは
“車”。ホット・ロッド・サウンドはこのあたりからう
まれたものなのです。

♪リトル・デュース・クーペ/ビーチ・ボーイズ(63年)

 またまた出ましたビーチ・ボーイズ。彼らの日常その
まんま歌にするスタイルで、このホット・ロッド・サウ
ンドもやってのけていたのです。そしてやっぱり、この
2人組もやっていた!

♪ドラッグ・シティ/ジャン&ディーン(63年)

 とまぁ、サーフィン・サウンドを代表するグループは
ホット・ロッドもやっていたわけです。どこがちがうね
ん?と思うでしょうが、歌詞のテーマがまずちがうのと、
ホット・ロッドの方は、車のエンジンの音などが効果音
として入っていることがあったそうな。でも基本的には、
音楽は同じものであったのです(一般的にはインストが
サーフィン、歌入りがホットロッドらしい)。共通して
言えるのは、うきうきするような歌詞、軽やかなギター、
美しいコーラスであります。ウハウハです。

 ここで、サーフィン&ホットロッドのおさらい。まず、
この流行の背景には、南カリフォルニアの気候と、若者
たちの陽気で、楽天的なライフ・スタイルがある、とい
うこと。と同時に、サーフィンにしろ“車”にしろ、パ
ーティーにしろ、それだけのことができる物質的な豊か
さに恵まれていた、という点が注目ポイントです。こう
いうライフ・スタイルで毎日を送れるわけですから、そ
れなりにお金持ちであったのでしょう。事実、ビーチ・
ボーイズの5人は、全て中の上に属する家庭で育ってい
るそーです。

 まぁ、このへんのバック・グラウンドのちがいが、フ
ォーク・ソングとは決定的にちがう点であります。いず
れにせよ、この東と西の正反対のブームはまったく同世
代の若者が、まったく同じ時期につくりあげているので
すから、アメリカの広さと、奥のふかさを感じずにはい
られません。それにしてもこの差は何やねん。間はない
のんかい!

 来週は、またNYにもどります。フォーク・ソングが
よりポピュラーなものに変化する、フォーク・ロックの
お話です。

(次回は「フォーク・ロック」)



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