60年代から変化を続けてきたロック。70年代にむ
けてハードロック、プログレッシヴ・ロックと、その演
奏力や、ハデなパフォーマンスが何かと話題になってい
たが、その後をうけて登場するのが、グラム・ロックで
ある。
それまでのロックと表現方法がいちばん違う点は、い
わゆる“見た目”、視覚的要素の部分だろう。まず華や
かな衣装。そしてメイキャップ、中性的であやしい感じ。
◆T.REX
68年にティラノザウルス・レックスとしてデビュー。
メンバーはマーク・ボランとミッキー・フィンという中
心人物2人のユニット・バンド。
71年リリースのアルバムから、T.REXと名乗る
ようになり、72年リリースのアルバム“ザ・スライダ
ー”は、全英で予約だけで25万枚、シングルカット曲
はすべて全英No.1というくらい、イギリス中が熱狂
した。
T.REXサウンドの特色はなんといってもエレクト
リック・ブギ(→ボラン・ブギ)。ゆえに、このタイプ
のロックがグラム・ロックと呼ばれることも多々あるの
だ。そしてこのサウンドは後にやってくるパンク、ニュ
ー・ウェイヴに多大な影響を及ぼしているのだ。
+ + +
(こぼれ話)
あまりにも有名なT.REXの代表曲「ゲット・イッ
ト・オン」。でも、この曲がT.REXのオリジナルと
して世に出た時、アメリカではCHASEというグルー
プの同名曲がヒットしており、曲はまったく違うだけに、
ややこしいなー。ということで、T.REX側が、歌詞
のちがう部分をタイトルにし、“BANG A GONG”
にしたのだ。
だから、アメリカでのチャートでは、この曲は BAN
G A GONG というクレジットになっているのです。
+ + +
そしてマーク・ボランとならんでグラム・ロックの代
名詞的な人物がこの人。
◆デヴィッド・ボウイ
‘69デビュー。マーク・ボランとともにグラム・ロッ
クのセックス・シンボルと呼ばれていた。‘72リリー
スの“ジギー・スターダスト”は10年に1度の名アル
バムとして今だに語りつがれている。
サウンド的にはT.REXよりも幅広く、ロックンロ
ール、ブギ、はたまたワルツやミュージカル音楽の要素
までも取り入れている。ステージパフォーマンスも演劇
的な演出で話題を呼んだ。
アルバムにもロック・オペラ的な1つのコンセプトが
込められており、ジャケットがすばらしいのも有名。
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とまあ、このように2大グラム・ロッカーの出現によ
り、グラム・ロックというジャンルは1つのムーブメン
トとして完成される。
この後、この流れをくんだロキシー・ミュージックも
デビュー。また、ハード・ロックを基本に、よりドラマ
ティックな個性を打ち出したクイーンも、当時はグラム
・ロックのひとつとして見なされていたそうな。
そして、シンガー・ソングライターとして叙情的な歌
をつくって人気を得ていたエルトン・ジョンも、グラム
・ロックに刺激をうけ、急にロックンローラーに大変身。
ラメ入りの衣装は着るわ、大きなギラギラのサングラス
はするわ、えらいことになってました。
ゆえに、グラム・ロックとは「音楽的にこんなロック
です」という説明はしにくいのだ。まずは視覚的なもの
が先にくるとこらへん、ファッション的にブームになっ
たものだと言えるでしょう。そのアート感たっぷりのユ
ニークさが受けたのだ。
(次回は「パンク・ロック」
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