小田茜さんインタビュー


東京での記者会見で「『ピュア・ラブ』は私にひとつの転機をくれた作品。代表作と言ってもいいと思っています」と力強く語ってくださった小田茜さん。この2年間ヒロイン木里子を演じ続けて、どのような気持ちの変化があったのでしょうか?おうかがいしました。

―パート2でようやくイルカを見に行けましたね?
「パート2の終わりで、自分でも『二人の続きをみてみたい』という気持ちがあったので、パート3は正直、嬉しかったです」

―木里子を2年間で3シリーズ演じられていかがでしたか?
「演じるというより、自然体でやれています。自分が木里子に近づいているのか、木里子が小田茜に近づいているのか…。木里子という女性が好きです。それに3回目となると、スタジオでのお芝居の時に言葉にださなくても、共演者の方々とどこか分かり合える瞬間≠ェあるんです。具体的に、といわれると難しいのですが…。家族というかチームが出来上がってきて、そういう意味でも演りやすくなりました」

―木里子は変わってきましたか?
「少しずつ強くなっているような気がします。人をまっすぐに愛するということにはいろんな試練がありますよね。耐え忍ぶ恋というのは強さがないとできない。弱いと途中であきらめたり、投げ出したりしてしまうでしょう。木里子にとって、『陽春さんが好き』という想いが彼女を突き動かしている。そこに強さを感じますね」

―耐え忍ぶ恋は辛い?
「辛いですよね〜でも辛いけど、辛くないんですよ。幸せなことだと私は思いますよ。だって恋をしている時って、一番自分がすてきになれるから。一番生き生きといい自分でいられると思うんです」

―パート3では陽春を中学時代から慕う寺の娘・みつる(楊原京子)が登場します。視聴者の方は木里子を応援していますが…
「みつるさんも木里子と状況は同じだと思います。二人とも自分の気持ちに嘘をつけないだけ。ひたむきだし。木里子は治療の後遺症で子供ができないとか白血病がいつ再発するかわからないという不安が大きいですよね。みつるさんは健康だし、お寺のことを良く知っているし。そんな中で木里子は陽春さんにとって何が一番いいのか考えるんです。陽春さんのために耐えてゆく。私だったら?一度は相手(陽春)に面と向かって『どっちが好きなの?』ってぶつかっていくでしょうね」

―木里子さんと陽春さんはどうなるんでしょう?
「陽春と木里子はものすごく深い絆で結ばれている気がします。お互いの気持ちは相手に向かっていると思います。状況が厳しくて歯がゆい想いをしていても、運命的に出会うべくして出会った2人なんですから…幸せになって欲しいですね」

―今回、苦労されたところは?
「やっぱり真夏の京都ロケが印象深いです。最高気温を記録した日に、コートを着て、ブーツをはいて、マフラーまでして…もう、笑えて来ました(←制作日誌参照)。あとは麻友ちゃん。1歳3ヶ月なんで、ゴキゲンがいいかどうかの状態にあわせて、いくつかのシーンを完璧にスタンバイするんです。どのシーンを撮るかもわからない。この一瞬を逃したら、次、いつ撮れるかわからない状態で、セリフを間違えるんじゃないかと、緊張しました」

―このシリーズで大阪のスタジオ通いが続いたかと思いますが、息抜きは?
「家に帰ると音楽をワーッとかけて一人で歌って発散します。歌っているうちにテンションが上がって、楽しくなってくるんですよ。私はこれまで静かな場所でないとセリフが覚えられなかったんですが、この前音楽を聴きながら台本を読んでみたら、結構セリフが入ってきたんですよ(笑)。発見でした」。

―最後にひとつ質問です。ご自分で「ピュアだな〜」と思われる時は?
「えーっ?難しい…(と、しばし絶句)。私、星を見るのが好きなんですね。東京ではあまり見えないんですが、実家(栃木)に帰ると、よく見えるんです。星を見ていると、日々の疲れだとか、身体の中にたまったものとかが浄化されて、心が研ぎ澄まされる気がします。一番好きなのは冬の星空。誕生日に貰った望遠鏡があるんですが、それで月を見たりとかもします。星っていいですよね〜」

すっかり木里子さんになりきった小田さん。何度かお話をお伺いして、とても真面目で正直な方だと思いました。スティングやマイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストンなどお気に入りの音楽をいろいろ集めて、マイべストアルバムにして、聞いているという小田さん。お買い物でストレスを発散されることもあるとか。もっぱら買うのは「洋服」だそうです。