『ピュア・ラブIII』監督の解説


第11話
 この日は、垂示式を終えた陽春と木里子が久しぶりに会う重要なシーンがあります。詳しくは述べませんが、このシーンの台本の「柱」(シーン番号とそのシーンの芝居場になる「場所」が記載されている部分)に『同・○○』とありました。
 今まで様々な「2人きりのシーン」がありましたが、ここでは、より一層2人の間に濃密な空気が流れます。他の場所ではありえない、工夫された場面設定だと思います。
 あとは、「カレー風味の包み揚げ」。祝日のお供にいかがですか?

第12話
 前回でもそうでしたが、木里子と陽春を見守る菊乃さんのお芝居に注目です。二人の恋を温かく見守りつつ、木里子の気持ちにも同調できる、そんな素敵なおばあちゃんです。各世代の登場人物のお芝居・感情表現が細やか且つリアルに描かれているのも「ピュアラブ」の魅力の一つだと思っています。
 あと、前週からの宿題「ぼくのわたしの通学路」を子供たちが提出します。実際にそれぞれの役を演じている子供たちが作成しました。それぞれ個性に溢れています。
 みつるに関する陽春の態度に注目…。

第13話
 かたや戸ノ山・典美の純愛話が進行しつつ、一方で陽春とみつるの関係に刻々と変化がみられるという「ピュアラブ」の王道のような回かもしれません。みつるの純愛が「行動」となって現れます。みつるの健気な姿に陽春は…?そんな中でのシーンの一つ、陽春、伸隆、みつるの「斎座(昼食)」のシーンはいかがでしょうか?お経と劇伴音楽のバランスが難しいところです。ルナと裕太のシーンにも注目です。
 お寺の生活で圧倒的に接する機会の多いみつると陽春。果たして木里子は…?

第14話
 周作先生のお芝居に注目です。時に息子になり、時に父親になり…。
そして、とうとうドラマが劇的に動きます。台本を読んだときショックを受けたくらいです。
 演出的な工夫としては、「陽春を待っている木里子」という表現の部分です。人は不意をつかれると弱いですよね…。

第15話
 みつるが「あるもの」を陽春にプレゼントします。なんだと思いますか?
これは、なかなか思いつかないのではないでしょうか?木里子と対照的なところに注目してください。そして、龍雲寺から帰宅した木里子のとった行為は…?この回のクライマックスです。印象的なシーンだと思います。「人を恋するということ」…最後にある登場人物がポツリとつぶやきます。皆さんそれぞれの思いでご覧頂ければ幸いです。