特別企画 ドラマを120%楽しむ特別企画。【監督自らの解説】
〜監督からドラマが大好きなあなたへ〜 「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側をチョッピリ公開。
ネタバレする可能性があります。ご注意ください。 →[ この週のあらすじ ]
第16話

この回は木里子のクラスの生徒たちの出番がかなりありました。裕太やルナをはじめ、子供たちのお芝居はこのドラマの中で最も「いま」を感じさせてくれる部分で「ピュア・ラブU」の重要な要素のひとつと言えるでしょう。
中でも、大紀、おさむ、元の三人組は「ピュア・ラブ」でのいじめっ子としての役割から、「U」ではもっぱら「笑い」や「楽しさ」の部分を担うことが多くなって、ひいては木里子の教師らしさを引き出す役割を演じてくれています。
ちなみに子供たちに演技をつけてくれるのはAD(演出助手)さんたちです。
子役といえども俳優さんたちを演出するのは、本来ディレクターの仕事なのですが、「ピュア・ラブU」のADさんたちが大変に優秀なのと、私よりも比較的子供たちの年齢に近いという理屈をつけて、ADさんたちにやってもらっています。
テストの時に初めて見て、思わず噴きだしてしまう芝居を考えてくれたりするので、私自身も結構ADさんたちの演出と子役たちの演技を楽しんでいます。
子役たちのハツラツとした演技の陰には、わがADさんたちの苦心のアイデアときめ細かな気配りがあることをお忘れなく。

第17話

陽春の本名が出てきます。
漢字で書くと「遠宮陽春」で僧侶と同じですが、読み方が違います。
陽春に扮するのは猪野学さん。青年座所属の俳優さんですが、視聴者の中にはひょっとして本物の雲水ではないかと思う人もいるくらい、雲水姿の似合う俳優さんです。
実際に彼は何日も僧堂に籠って役作りをしたので、雲水としての立ち居振る舞いは本物の雲水以上に雲水らしく、時として「美しさ」さえ感じられるほどです。お経も般若心経などは完全にマスターしており、スタッフが「猪野くん、ここはどうやるの?」と教えてもらうこともあるくらいです。
聞くところによると、お寺さんから「ぜひうちの婿養子に」という申し込みが殺到しているとか。

第18話

この回は書くことがあまりありません。「見どころがないのか?」とがっかりしないでください。
見どころというか、ポイントになるいいシーンが多すぎて、うかつに書くとストーリーが解ってしまうからなのです。
でもちょっとだけ書きますと、登場人物たちが今まで言えなかったこと、聞けなかったことを思い切って相手にぶつけるシーンが3つもあります。これだけでもこの回の密度の高さを解っていただけると思います。
皆さん、気合の入ったいい芝居をしてますよ。

第19話

龍雲寺で行われる先代住職の斎会を中心にストーリーが展開していきます。
禅宗は公式行事から日常生活にいたるまで、きっちりと形式が整っています。
当然「ピュア・ラブU」も陽春や宗達、伸隆が登場する場面ではその形式に則って描くことになります。というよりも、出来るだけ忠実に禅宗の厳しい世界を描くことで、現代人が忘れてしまったものと対比させるということが、「ピュア・ラブU」の重要な要素であると考えています。
そこで我々スタッフや俳優さんに禅宗の僧侶や雲水らしい立ち居振る舞い、生活様式、決まり事などを教えてくれる人が必要になってきます。
たとえばこの回で、陽春が自分で書いてきた斎会の上告(式次第)を宗達に見せる場面がありますが、その上告の内容、形式はもちろんのこと、陽春の部屋への入り方、二人の座り位置、上告の紙の持ち方、宗達への渡し方、宗達の目の通し方に至るまで、決まった形式や手順やしきたりがちゃんとあって、それらを指導してくれる方が必要なのです。
その指南役を「ピュア・ラブ」に引き続き、Uでも長門義明さんにお願いしています。
長門さんは京都の亀岡市で臨済宗のお寺の住職を勤めていらっしゃる方で、禅宗の本も出されているえらい和尚さんです。
長門さんには撮影現場での演技指導以外にも、シナリオの監修など禅宗関係すべての監修をお願いしていますが、時には衣裳や小道具まで貸していただくこともあり、私たちにとっては本当に頼りになる方です。
実はその長門さんがこの回に出演しています。
宗達の修行時代の後輩という役どころで、役目も本名そのままの長門義明和尚、出演場面は2シーンですが、さすがに動きに無駄がなく、堂々たる演技です。長門和尚の名演技をお楽しみください。

第20話

この回も見どころ満載です。したがって詳しく書くことは出来ませんので、項目だけを並べておきます。
・ 陽春と佐竹の対決
・ 忍と裕太の養子縁組…本当の親子になった二人。裕太は忍のことを何と呼ぶのか?
・ 宗達の厳しい問いに陽春は答えることが出来るのか?
・ 宗達が忍に話す「親の心得」
・ 木里子と陽春の愛の行方は?