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プレバト!!




名人・特待生だけのタイトル戦<金秋戦>結果発表

第1位
東国原英夫 名人4段
「紅葉燃ゆ 石見銀山 処刑場」
[作者意図]
石見銀山の近くにはかつて、盗みを働いた鉱夫を罰するための「処刑場」があった。しかし、世界遺産に登録され、案内からその文字が消えた。何百年も存在した負の遺産。そこで処刑された人々の怨念、情念、うらみつらみが、今をもって紅葉が燃えるように表されている・・・という状況を詠んだ一句。
[講評]
「紅葉」に対して「燃ゆ」と言い切って成功している句に出会えてうれしい。「石見銀山」という固有名詞が語る歴史的な背景。「処刑場」という言葉で、ここで暮らして死んでいった様々な人々の悲しみ、恨み、怒りといった感情も出てくる。「紅葉」と「銀」という色彩の対比もさらりと詠めている。そして、感情的な「処刑場」が「紅葉」という季語をさらに鮮やかにしている。「負の遺産だからといって消してしまうのではなく、俳句に残すことでそういう思いを作品を通して後世に伝えることができる」という作者の言葉に共感した。そういうことまで考えている作者は「本当にカッコええ」と思いました。
第2位
横尾渉(Kis-My-Ft2)名人2段
「千年の 樹海の風と 枯葉の香」
[作者意図]
富士の樹海に行ったときに自然のすごさに圧倒されて、吹いてくる風、そこに乗ってくる匂いから、歴史や自然の素晴らしさを伝えられたらな・・・という気持ちを詠んだ一句。
[講評]
1枚の紅葉から「千年」という「時間」、「樹海」という「場所」に発想を飛ばせるのは大したもの。「風」で「動き」、「枯葉の香」で「嗅覚」も表現。映像がしっかりと見えてくる。「千年の樹海の風」「枯葉の香」という2つのパーツを「と」という助詞でくっつけるという「型」に挑戦している。「風」「枯葉」「香」と「か」の音でリズムも生まれている。
第3位
石田明(NON STYLE)特待生3級
「空をひっかく 葉先から枯るる」
[作者意図]
葉先から枯れる紅葉が、秋の空をひっかいているようにみえる。その空の先にある冬に触れたから枯れていっているのかな・・・という雰囲気を5・7・5に囚われずに詠んだ。
[講評]
発想が詩そのもので音のバランスがとれており、自由律俳句への挑戦意欲が嬉しい。作者が書き言葉的な表現に拘るなら「枯る」と言い切る方が良いし、話し言葉的にしたいなら「枯れる」とするのがリズムを整えることになる。
[添削例]
「空をひっかく 葉先から枯れる」
第4位
中田喜子 特待生4級
「東天の 池の底まで 紅葉降る」
[作者意図]
「東天」とは東の空、特に明け方の東の空を意味する言葉。早朝に池の底まで紅葉が散っている様子を、実際に早起きして、朝露のイメージを込めて詠んだ一句。
[講評]
「池の底」とすることで「池」という場所に視点がいってしまう。「池」を「水」に変えることで季語「紅葉」に焦点が絞られ 、作者の目が水底にあって、朝の光の中を紅葉が上から落ちてくる美しい光景として表現することもできる。
[添削例]
「東天の 水の底まで 降る紅葉」
第5位
千賀建永(Kis-My-Ft2)特待生2級
「星月夜 廃墟の煙突 銀に照り」
[作者意図]
写真にある1枚の紅葉の葉から都会に映える紅葉へと発想を広げた一句。小学生の時に見て好きだったゴッホの晩年の代表作「星月夜」のイメージを俳句にした。
[講評]
昼間は汚れている煙突が夜になると銀色に見えて美しい。そんな詩心・世界を率直な言葉にしている。中七の字余りが気になるのと、「銀に」とすれば「照り」は不要。添削例のように「句またがり」の手法を用いると字余りが気にならなくなる。
[添削例]
「銀色の廃墟 星月夜の煙突」
第6位
村上健志(フルーツポンチ)名人初段
「龍よりも 緋い紅葉を 探す子ら」
[作者意図]
子どもの頃、完璧な美しい赤の紅葉を探し「オレのほうが赤いぜ」と競い合っていた。龍の鱗を探すような、冒険のような思い出を詠んだ一句。
[講評]
ファンタジー的な発想は面白い。ただ、「龍よりも緋い」という時点で読み手はこの句の行く先を見失ってしまう。「龍」と「紅葉」では大きさの対比が激しすぎるので、作者が意図説明で語った「鱗」という言葉を使って映像化する。
[添削例]
「緋の紅葉探す 龍の鱗を 探すかに」
第7位
藤本敏史(FUJIWARA)名人6段
「ぬうぬうと 秋かき混ぜる 観覧車」
[作者意図]
「ぬうぬうと」というオノマトペ(擬態語)を使った一句。車で走っているときに観覧車がゆっくりと回っているのを見て、秋の風・光・空雲をゆっくりかき混ぜているような気がし、その様子をオノマトペで表現した。
[講評]
観覧車に対して「ぬうぬうと」はオリジナリティありだが、ゆっくりとしたオノマトペと「かき混ぜる」というせわしない動きの複合動詞が似合っていない。添削例は複合動詞をゆったりとしたイメージに整えたもの。
[添削例]
「ぬうぬうと 秋を混ぜゆく 観覧車」
最下位
ミッツ・マングローブ 特待生3級
「色づくは 小路も頬も うそ寒し」
[作者意図]
「うそ寒」とは、秋になって何となく感じる寒さを表す秋の季語。色づいている紅葉の小路を歩いているとき、自分の頬も同じように赤らんでいるような・・・かりそめな感じを詠んだ一句。
[講評]
作者が感じた季節の訪れの喜びを冷めさせないためには、季語を最初に持ってきたほうがよい。下五の「ける」に詠嘆(ことだなぁ)が隠され、より作者の意図が盛り込まれた形となる。
[添削例]
「うそ寒し 小路も頬も 色づける」

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