あらすじ


第31回(9月13日 月曜)
 姿を消したちひろ(榎本加奈子)が再びあらわれたのはテレビの中だった。「ビタースウィーツのちひろ復活」のニュースを見て、雑誌記者、ベビーシッター、ホステスなどがすべてちひろだったことにみんな気づく。
 ちひろは晶(伊藤かずえ)の下から再デビューを果たしたのだが、晶はしげ爺(藤村俊二)に「ちひろは義務であるかのように淡々と仕事をこなしている」と腑に落ちない事を相談する。しげ爺は、久美子の事件の時効が迫ってきている事と関係あるのではと推測する。
そんな時、ちひろはワイドショーに出演し、爆弾発言をする。

第32回(9月14日 火曜)
 ちひろが「母は無実の罪を着せられて死んだ」とワイドショーで告白した反響は凄まじいもので、一躍時の人となった。これこそがちひろのねらいだったのだ。一方、ちひろに協力すると約束した柴田(山本龍二)は「秋葉殺しを公にする」と中野(小木茂光)を強請り始めていた。健一(松田悟志)は父親に対する不信感を強め、佳和(涼平)は復讐を止めさせるために、ちひろと接触しようと必死だったができないでいた。そして、名越は中野の会社を辞め、転職するつもりでいるようだった。
 復讐の準備が着々と整っていく中、ついにちひろは、両親が死に追いやられた真相を具体的にテレビで告白し始めた。

 第33回(9月15日 水曜)
 ちひろが中野の悪事をテレビで暴露してから、名越はついに退職願をだした。中野の会社では広報部長である健一が対応に追われていた。意を決してちひろに会いに行った健一は「復讐が目的の人生は淋しい」とちひろに告げる。柴田から強請られ続けている中野は、ちひろに対する怒りを増幅させていた。
 晶は復讐を止めさせるために、しげ爺にも協力を仰ぐが、「人の気持ちはなかなか変えられない」としげ爺はあきらめていた。しかし「伝説の女優・大原静子のように、ちひろを見殺しにするつもりか」と晶に詰め寄られ、ついにしげ爺も何かを決意したようだ。
 ちひろは自分の復讐が周囲を巻き込んでいるとも感じていた。悲しみや、迷いをいだきながらひとり道を歩いていたとき、その背後に黒い陰が忍び寄っていた。

第34回(9月16日 木曜) 
 暴漢に襲われそうなちひろを助けたのは佳和の「ちひろ、危ない!」という声だった。
話せなくなっていた佳和の声が戻ってきた瞬間でもあった。佳和は、ちひろにずっと伝えたかった久美子の最後の言葉「その人の夢は、その人だけの宝物だ」を聞いたいきさつを話す。ちひろは抑えていた想いが溢れ出し、佳和の胸で泣き崩れる。
 中野の会社は新製品の発売を控えていたが、同種の製品が他社から一足早く発売されてしまう。それは、名越が転職した会社だった。すべてを悟った健一は、ちひろの滞在するホテルに行き詰め寄る。しかし、ちひろに反論され感情を抑えきれなくなった健一は、思わずちひろをベッドに押し倒してしまった。

第35回(9月17日 金曜)
 ちひろを押し倒すも我に返った健一は、自分を情けなく思いうなだれる。そんな健一にちひろは「うちの家族がされた事をなぞっているだけだ」と話す。
 中野は新製品の情報を漏えいしたのは名越と知って怒りに震えていたが、さらに、帰宅した健一にちひろから聞いた話をぶつけられる。「全てはお前の為にやったこと」と反論する中野だったが、すでに父親の仕業を悟った健一は家を出て行ってしまう。
 しげ爺はちひろを訪ね、大原静子を探す旅に出かけると告げ、それしかちひろの復讐を止めさせる方法はないと言う。
 奈緒子(岡元夕紀子)は一連のことで、佳和に対する愛情を再認識していた。佳和もけむりやを継ごうと決め、劇団員たちに説明しに行く。しかしそれをちひろとの結婚の為だと勘違いする団員たちの話を聞き、奈緒子はショックで呆然としながら歩いていた。ふらふらと車道に飛び出す奈緒子、次の瞬間、鈍い音と悲鳴があたりに響いた・・・。