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【特集】大量の名刺はどこで… 政務活動費で新疑惑?

更新:01/11 15:00

 大阪府柏原市議会の山本修広議員(41)。大阪維新の会所属の1期目だ。山本議員はおととし8月まで3人で「新風かしわら」という会派を組み、その幹事長を務めていた。その「新風かしわら」をめぐりMBSにある疑惑が寄せられた。

 「印刷代が高すぎる。市政と関係ないものを印刷しているのではないか?」

「新風かしわら」の議員控え室にはコピーやプリント、FAXなどの機能を備えた大型の複合機があった。「新風かしわら」の収支報告書によると、コピー機は2013年12月からリースされていてリース代は毎月約1万4000円、印刷代と合わせておととし9月までの代金は40万円。そのすべてが税金である政務活動費で賄われていた。議会事務局によると、そもそも大型のコピー機をリースしている会派は「新風かしわら」のみ。印刷枚数は多いときには月に3000枚以上になっていたという。

 「ちょっと使い方、多いんちゃいますかと事務局から指摘させてもらったことはあります」(柏原市議会事務局 佐藤忠局長)

 議会事務局には議員用のコピー機があるのに、はたして3人の会派で機械をリースする必要はあったのだろうか。取材を進めると、あることがわかった。

 インターネットで注文できる名刺印刷のホームページ。その責任者の名前は山本修広。山本議員本人だ。大阪市内にあるという本社を訪ねると…住所や電話番号などを登録するだけのバーチャルオフィスで印刷会社の実態はなかった。さらに、奈良にあるという工場に向かうとそこにいたのは山本議員の父親。その口からは思わぬ言葉が…

 Q.名刺の印刷はどちらで?
 「自分の家でしているんちがいますか」(山本議員の父親)

 奈良の工場で名刺を印刷することはほとんどないという。では客から受注した名刺をどこで印刷していたのか?柏原市の関係者から疑惑に関する重大な証言を得た。

 「山本先生の座席の後ろに備え付けの棚があるのですが、切ったら名刺になるシートというんですか、それが束になって置いてあった」(柏原市役所関係者)

 議員控室の山本議員の席の後ろに大量に置かれていたという名刺シートのコピー。A4の分厚い紙には企業名が書かれた名刺10枚分が印刷されている。カットしさえすれば名刺になる状態のものだ。

 「議会と関係のある名刺は見かけなかったです。枚数はわからないですが、備え付けの棚がいっぱいになるくらいなので」(柏原市役所関係者)

 なぜ、控え室に作成途中の名刺があったのか?取材班は山本議員を直撃した。

 Q.名刺のシートが控え室に置かれていた
 「(名刺を)会社で刷って議会に寄って、また工場に行って作業をするという中で、置き忘れた部分もあるかもしれません」(山本修広議員)

 会社で刷ったものを持ち運び、控え室に置き忘れたという。しかし、何度も聞くと途中から発言が変わった。

 「裏紙的な感じであの紙自体は製品として使えない紙なので、資料を印刷するのにちょっとでも浮きになればいいかなと」

 Q.名刺の紙って普通の紙じゃないじゃないですか、分厚い紙だが
 「分厚い紙でも資料は刷れるじゃないですか」

 Q.名刺の分厚い紙を裏紙で使って議会資料を何枚も刷りますかね
 「20枚30枚とかの資料をするんじゃなくて、1枚ものの資料であったりとかそういう時に」

 Q.裏面は名刺ですよね?それっていいんですか?他人の方の名前とか住所は?
 「もちろんシュレッダーにもかけますし」

 そして取材班は疑惑の核心に迫った。客から受注した名刺を政務活動費で印刷していたのではないか?

 Q.控え室で印刷していた?
 「控え室ではないです。刷れる状況にあったかというと刷れる状況にはあるでしょう。でもそこは、刷るか刷らないかはモラルの問題でぼくは刷っていないですね」

 あくまで疑惑を否定する山本議員。当時、同じ会派に所属していた議員はこのことをどう思っているのだろうか。

 「議会事務局の方から複写機の枚数が多いですと言われた覚えはあります。『自分の会社の仕事してないよね』というのは確認した覚えはある」(大阪維新の会 冨宅正浩議員)

 そして山本議員への取材から5日後、議員本人から再度取材に応じたいと連絡が。

 「後援会とか町会の資料であったりとかそういうものを印刷していた覚えがあったので、該当期間の政務活動費を返還する手続きに入らせていただいている。このあと離党届という形で提出させていただこうと考えている」(山本修広議員)

 政務活動費から支出できない後援会などの資料を印刷したことがあるとして、コピー機のリース代などを返還。そして大阪維新の会を離党する意向を示したのだ。

 全国で発覚し続ける政務活動費をめぐる問題。議員の意識はどのくらい変わったのだろうか。

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