昨年、1953年8月28日に日本で最初のテレビCMが放送されたことを記念した「テレビCMの日」が制定された。その53年の歴史の中で、1960年代から70年代にかけて、日本のテレビCMの創成期を切り開いた1人のCMディレクター・・・杉山登志。
資生堂の口紅やサンオイル、「のんびり行こうよ〜俺たちは」の曲とともに知られるモービル石油のCMなど、彼の作り上げるCMはそのどれもが単なる商品広告以上のものとして視聴者の記憶に残り、カンヌ国際広告賞銀賞受賞など、天才の名を欲しいままにした時代の寵児だった。しかし、瑞々しい作品を作り続け、時代を鮮烈に生き抜いた彼は、1973年、37歳の若さで自らの命を絶つ。ある一文を残して・・・。
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リッチでないのに リッチな世界などわかりません
ハッピーでないのに ハッピーな世界などえがけません
「夢」がないのに 「夢」をうることなどは・・・とても
嘘をついてもばれるものです |
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日本のテレビCMに革命を起こしたディレクター・杉山登志はどのようにして名作を作り上げてきたのか?その背景は?
彼の作品を撮り続けたカメラマンである弟・杉山伝命は、登志の最大の理解者であり、ライバルだった。そして21世紀の今、登志と伝命の作品に憧れてCM制作会社に入ったAD・松本佐和は「嘘のないCM」作りと、効率とコストパフォーマンスばかりが優先される現代のCM作りとの間で思い悩む。
佐和と伝命を通して、過去から現代につながる「杉山登志が本当に伝えたかったもの」が浮き彫りになっていく。それは一体・・・。
実際に杉山登志が作ったCMフィルムを織り交ぜながらドラマは進行していく。その映像は当時を知る人にとっては懐かしく、初めて目にする人にとっては、今だ新鮮なその感性が大きな驚きとなるであろう。
脚本はつかこうへい事務所出身で映画『亡国のイージス』『ホワイトアウト』などの長谷川康夫と飯田健三郎、監督は映画『破線のマリス』や『FOCUS』の井坂聡。主人公の杉山登志を演じるのは藤木直人。そして、現在の女性AD松本佐和を内山理名が演じる。ちなみに藤木は収録現場を訪れた実弟の杉山伝命さんからも「兄そっくり」と言われるほどの熱演を見せている。また、現在の杉山伝命を藤竜也、若き日の伝命を平岡祐太が演じるほか、石黒賢、平泉成ら。ナビゲーターを篠原涼子が務める。 |