飲み屋の並ぶ片隅にある古い食堂。夜の十二時から朝の七時頃まで、こわもてのマスター(小林薫)が包丁を握り、「豚汁定食」のほかは、材料さえあれば、何でも作ってくれる。常連客は長年ゲイバーで働いている小寿々(綾田俊樹)や、ストリッパーのマリリン(安藤玉恵)ら。夜毎、常連客が語り合う。


ある日のこと、ヤクザ者の竜(松重豊)が、手下のゲン(山中崇)と連れ立って店にやってきた。「エスカルゴ」「燕の巣のスープ」、難癖をつけるゲンの言動に店が一触即発になった時、マスターが作った「赤いウインナー」を食べて感動した竜は、以来、時々店に顔を出すようになった。

客たちの内で竜が特に親しかったのは、大の卵焼き好きの小寿々。一つの皿を仲良く分け合う二人だったが…。





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