世界最大の宗教行事、実は日本の初詣だった!?

5分で読める!教えてもらう前と後

2018/02/20 19:45

「教えてもらった前と後で、見る目が変わります!」を合言葉に、滝川クリステルと学ぶ今回のテーマは・・・「伝説の政治家」と「日本人と宗教」。「伝説の政治家」編では、稀代の政治家・田中角栄元総理がのこした数々の金言を通して、伝説の政治家像に迫ります。「日本人と宗教」編では、博多大吉と笛木優子が宗教学者の島田裕巳先生と東京・浅草の浅草寺をめぐり、日本人と宗教の深いつながりを探ります。

現在は日本人の約7割の人が「無宗教」、という調査結果が発表されています。しかし、古来より日本人と宗教は密接な関係にありました。そんな、日本人と宗教の関わりについて、宗教学者の島田裕巳先生が解説します。

実は、日本の「初詣」が世界でも最大級の宗教行事、ということは、日本人はほとんど認識していないかもしれません。だが、こんなデータを見るとその意識は変わるかもしれません。
イスラム教最大の宗教行事である「メッカの大巡礼」に集まる信者の数は約200万人。これに比べて正月3が日に「明治神宮」を参拝する人は約320万人にものぼり、実に1.5倍。
そして、「無宗教」と思っている人が多いにもかかわらず、約9000万人もの人が日本全国で初詣をしているのです。

「雷門」の再建に自腹を切った"あのひと"

今からおよそ1400年前に建てられた東京・浅草の「浅草寺」は、東京で最も古いお寺です。そして、年間で約3000万人の参拝者が訪れるため、「浅草寺」は世界で最も参拝者が多い宗教施設といわれています。
なぜそんなにたくさんの人が「浅草寺」に集まるのでしょうか。
博多大吉と笛木優子が島田先生と一緒に「浅草寺」を巡りながら、日本人と宗教の深いつながりを探ります。

「浅草寺」のシンボルといえば「雷門」の大提灯。
1000年以上前に創建された「雷門」は、これまでに幾度も燃えてなくなり、その度に再建されてきました。
現在の「雷門」は、世界的に有名な"あのひと"のポケットマネーで昭和35年に再建されたそうです。
その人の名前は、提灯の底を見るとわかります。
提灯には「松下電器」の文字が!
そうです。「雷門」の再建に関わっていたのは、「松下電器」創業者の松下幸之助さんでした。
当時「関節痛」を患っていた幸之助さん。そのことを聞いた「浅草寺」の住職が祈願したところ見事快復したのだそう。
幸之助さんは「関節痛」が治ったお礼に、自腹を切って再建したというわけ。

「雷門」をくぐると「仲見世商店街」と呼ばれる参道には89もの店が軒を連ねています。江戸時代の錦絵には、参道が江戸の庶民で賑わう様子が描かれていますが、現在は年間830万人以上の外国人が来るインターナショナルな場所となっています。
大吉が外国人に声をかけてみると、イスラム教徒やキリスト教徒の外国人が!
「仏教」である「浅草寺」に、違う宗教の外国人が訪れる理由。そのヒントは本堂の中にありました。
「仏身円満無背相(ぶっしんえんまんむはいのそう)」
「十方来人皆対面(じっぽうひときたってみなたいめんす)」
これは、「仏様は誰にでも分け隔てなく救いの手を差し伸べます。宗教を問わずいろいろな人たちを受け入れましょう」という意味。
そんな広い心を持った教えがあるからなのです。

ご本尊は川で拾った観音様!?

「浅草寺」の本尊について書かれている絵が境内に飾られています。その絵には、今から約1400年前の飛鳥時代、漁師の兄弟が漁をしている様子が!
兄弟の網に偶然仏像がかかり、それを引き上げて調査したところ、とてもありがたい観音様だということが判明したといいます。それ以来、その観音様をお祀りしたのが「浅草寺」の始まりだといわれているのです。
そんなエピソードを聞いた大吉は、
「川の中から出てきたとはいえ、拾ったものですよね? それをド派手に祀っているなんて、面白いですね」と感心していました。

島田先生「でも、この観音様の本当の姿を見た人は、実はたったひとりしかいないんです。浅草寺の観音様は《絶対秘仏》といって、住職さえも見ることができないんです」
笛木「絶対見られないと言われると、見たくなりますね(笑)」
島田先生「やはりそういう住職が以前いましたが、見ようとしたら意識を失ってしまったそうですよ」
大吉「でもひとりは見ているんですよね」
島田先生「本尊があるかを確かめるために、明治時代の役人が確認したそうです」
長年、その存在が疑われていた観音様を確かめるため、明治時代に役人が調査したそう。すると奈良時代に作られたとみられる、高さ20センチほどの観音様が確認されたといいます。しかも、その観音様には焼けた跡があったそうなのです。

おみくじで「凶」が出る確率は約3割!

「浅草寺」のおみくじは、「凶」が出る確率が高いと有名。
3人もおみくじを引いてみると...。
島田先生と笛木に「凶」が出ました。
笛木のおみくじには、
「家が燃えるような災いの重なる危険があります」
「命と同じくらい大切なものを失うおそれがあります」
など厳しい言葉が!
なぜ、「浅草寺」は参拝客に厳しいのでしょうか。
おみくじは、今から1000年ほど前、比叡山延暦寺の僧侶・元三大師(がんざんだいし)が考案したとされます。古来「吉凶」の割合は決まっていたのですが、「凶」の割合を少なくしている神社や寺もあるそう。しかし「浅草寺」では「凶」の割合は3割、ということを厳守しているのです。

でも、「凶」が出たからといって落ち込む必要はありません。
「今は努力すべき時」という観音様のアドバイスだと受け止めて誠実に努めていれば「吉」に転じることもあるそうです。
だいたい30%が「凶」で、「大吉」は全体の17%のみということを聞いた後でおみくじをひいた博多大吉は「大吉」を引き当てることができたのでしょうか? みんなの視線が集まります!
すると、「しょうもない...」と思わずつぶやいた大吉の手のおみくじには「吉」の文字が!
これには大吉も「ここは《大吉》か《凶》やろ。中途半端〜」と肩を落としてうなだれていました。
このように教えてもらった後では、日本人は意識していないだけで宗教と深くかかわった生活をしていることがわかったのです。

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