2009年05月10日放送

水戸岡鋭治

工業デザイナー

 九州を走る鉄道は見た目も内装も個性的。そんな電車に乗ることが目的で、九州を訪れる観光客も増えている。そのデザインを一手に手がけているのが水戸岡。制限の多い鉄道車両という分野において、ひたすらそれを使う乗客の立場に立ったデザインを提示し続けてきた。乗客にとって心地よいに違いないと信じる時には、一歩も引かない議論をやり合う。また、職人気質の水戸岡は、現場の職人たちを叱り飛ばすこともザラ。番組では2008年夏から9ヶ月に及ぶ取材を敢行。超一級の工業デザイナーの、多忙かつ情に厚い日々に密着した。

プロフィール

水戸岡鋭治

水戸岡鋭治


担当スタッフ

演出:尾形正喜
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:井戸裕一、川平友和、小平智紀
音効:阿多野正美
制作協力:ホリプロ
プロデューサー:藤原努、上野大介

情熱語録

アーティストとデザイナーは全然違うもので、
自分の思っている事を作っている訳ではないんです。
あくまでも
“売らんがためのデザイン”ではなくて
“使うためのデザイン”で、
「良い」ではなくて「正しい」デザイン。
そういうことが一個一個が
積み重なって初めて
みんなが納得する、感動する『モノ』ができるんですね。


例えばイス一つとっても
平均値でしか作っていないので…。
TシャツのS・M・Lがあるのに
電車はいつもMなんですよね。
SもLも不都合なわけですから。
その時はちょっとサイズは問題…無理だけども、
色とか素材とか形とかそういうものが優れていれば
「まぁ、気持ちいいからOKよね」って人がいるかもしれない。


もともと廃線にした所ですよ。
それが復活するために
こういうプロジェクト組んでるのに、
ちょっと人が乗り出すと、すぐに元の発想で
席数を増やせとか言って来るんですよ。
それをやるとまたお客さん減るんですよ。
決まり切ってるんだよ。
だからそれを、しつこくしつこく説明しないと。

新しいものを作るということは
何かを犠牲にしなきゃできないんで。


(新入社員は最後に帰らないのか?)
それはうちは、違います
うちは新入社員は最初に…。
だって、無理だもん。体ができてないから…。

うちは高給取りが一番働くっていうのが
基本になってて…。
でも、普通そうでしょう?


私たちは一斉これ(駅弁のデザイン)の著作権を持ちません。
一般的な経済で考えればロイヤリティを取ればいいじゃないかって言うけど、
私はそういうのを『正しい』とは思っていませんね。
ロイヤリティを取ったら今の10倍のぐらいの会社になってるでしょうね。

(もったいないと思わない?)
もったいないとか…。
そういうことをすると、お弁当屋さんレベルは
著作権払ってまではできないですよ。
お弁当作ってるのが、お父さん、お母さんと娘さんとか
3人でお弁当作ってる会社、いっぱいあるわけだから

(哲学がある?)
哲学とまではいかないけど、
卑しいじゃない、そんなの。
人間としてそんなことまでして稼がなくてもいいだろう、
食えればいいじゃない、ってのがある。


僕たちの世代は、そういう意味で
がむしゃらに生きた世代で
豊かになる目標だけだったから
豊かってのは経済的な豊かさが目標だけだったから。
でも、その先にその次の時代がくることは僕にもわからないから
自分たちが、一生懸命毎日生きてることの中から見つけるしかない。

世の中ってのは
案外フェアプレーだからねって
頑張った人には評価してくれるよって言うのは
(若い人たちには)教えてる。

情熱の瞬間

┗23:06 電車はいつもM(平均値)。SもLも不都合。ならば、色、素材、形で工夫する。(154クリック)
┗23:10 席数の確保を求めるクライアントに「新しいものを作るには何かを犠牲に」(163クリック)
┗23:27 後進に伝えるのは「世の中は案外フェアプレイだからね」ということ(253クリック)

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