映像'17 毎月最終日曜日 24時50分~25時50分放送

映像'17

取材ディレクターより

まさか、日本の元総理に自分がインタビューする、などとは思ってもみなかった。今年9月14日、日本の第87~89代総理だった小泉純一郎氏に、東京都内で単独インタビューした。1時間あまり、今彼が取り組んでいる「原発ゼロ」運動についてや、安倍政権、次男・進次郎氏のこと、そして人としてどうあるべきか?という人生論に至るまで、たっぷりと話を聞くことができた。
そもそも小泉氏の取材をしようと思ったのは、去年作った番組「わが家にやってきた脱走兵」で米国取材をしたとき一緒に仕事をした現地コーディネーターさんから、「5月に小泉さんが訪米されるそうですよ」と、連絡があったからだった。聞けば、東日本大震災で被災者の救援などにあたったアメリカ軍兵士が、それがもとで放射線に被ばくし、救済を訴えているのだという。小泉氏はその兵士たち面会する、とのことだった。
その概要は、小泉氏が米国で兵士たちとともに会見をし、日本でもニュースとして取り上げられたのだが、会見途中に小泉氏が絶句し、兵士たちのことを思って涙までを流したことに、私は勿論のこと、世間も驚かされた。元総理をそこまでさせるものは何なのだろうか、と・・・。
そして、総理時代は国是・国策として原発を推進していた小泉氏が、2011年3月11日に起きた福島第一原発のメルトダウン事故をきっかけに、なぜ立場を180度変えたのか。古来、自分の信念や考えを変える人は“変節漢”などと呼ばれ、いい受け止め方はされてこなかった。ましてや、それが日本の元総理なのである。
多くの「?」を解き明かすべく、行った単独インタビューの詳細は、是非番組をご覧になって確かめていただきたい。繰り返し、短いフレーズを使う小泉氏独特の話法は健在で、今もわれわれに強いインパクトを与える。あの3.11から5年8か月、原発事故の重大性と、わが国のエネルギー政策の今後を、改めて考える契機にしていただければと思う。

次回予告

≫次回放送は6月25日(日) 深夜0時50分~

母は死刑囚~息子が語るもう一つの和歌山カレー事件

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「映像'17」は、1980年4月に「映像’80」のタイトルでスタートした関西初のローカル・ドキュメンタリー番組です。月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、放送開始から30年余が過ぎました。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。