映像'17 毎月最終日曜日 24時50分~25時50分放送

映像'17

取材ディレクターより

集団的自衛権を容認する新しい安保関連法の運用がまもなく始まります。今月上旬、取材班は兵庫県伊丹市にある陸上自衛隊の官舎を訪ねました。その台所で目にとまったのは、使いこまれたジューサーミキサーと手作りスコーン。小学生の子ども3人がはしゃいでいます。幹部自衛官である夫の隣に座った妻は、カメラの前でさらっとこう語りました。「どんな法律になっても命令に従うだけ。いってらっしゃいと。危険なところにいくことも多くなるのかなあ。でも命令なら仕方がない」。
今回の番組は「自衛官とその家族」しか登場しません。正確にいうと自衛官OBも登場します。憲法に風穴を開けたと言われる新安保関連法で彼らが背負う目の前の任務は何なのか。その安保法は将来に禍根を残すものだと指摘する元官僚も少なくありません。シビリアン・コントロール(文民統制)されている自衛隊は、政治が決断すれば、その任務を遂行し、自衛官は危険を顧みず従います。
若い自衛官たちが日々たくさんの汗を流している自衛隊。その家族が先々を心配する声にも耳を傾けました。欧米では軍隊が政治の道具であることは紛れもない事実。自衛隊は軍隊ではありませんが、国際貢献の名の下に自衛官が戦闘に巻き込まれ事態がくるやもしれません。そのとき自衛官は兵士になるのでしょうか。シビリアンの論理でいえば、その答えは国民の側が握っています。番組が多くの視聴者にいま一度、戦後の日本と自衛隊について考えるきっかけになればと願っています。

次回予告

≫次回放送は9月24日(日) 深夜0時50分~

がんとネット~患者を惑わす情報の渦~

がんとネット~患者を惑わす情報の渦~

「映像'17」は、1980年4月に「映像’80」のタイトルでスタートした関西初のローカル・ドキュメンタリー番組です。月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、放送開始から30年余が過ぎました。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。