映像'17 毎月最終日曜日 24時50分~25時50分放送

映像'17

取材ディレクターより

この火事があった1995年は、阪神淡路大震災(1月)、地下鉄サリン事件(3月)、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の逮捕(5月)などニュース史上に残る大災害、大事件が相次いでいました。当時大学生だった私にはこの「事件」の記憶はありませんでした。 そんな「事件」を取材することになったのは、3年前。弁護団が再現実験によって「自白」どおりの犯行が不可能であることを示し、大阪地裁が再審=裁判のやり直しを決めたときでした。
確かに弁護団の実験結果はセンセーショナルでした。しかし、裁判記録を読み込んでいく中でそれ以上に引っ掛かったのが、青木惠子さんを無期懲役とした裁判所の確定判決でした。直接証拠は自白のみ。確定判決は、自白以外のさまざまな状況証拠についても検討がなれています。ところが「火事のあとの被告の行動」や「動機」など、見方次第で犯人とも無実とも取れるような事情を、自白の内容に合うように有罪に傾く解釈がなされているように思えたのです。
保険金目的で自宅を放火し、娘を焼き殺す…本当ならば極めて残忍な犯罪です。この「事件」がいかにして組み立てられ、どう有罪とされていったのか。その背景をつぶさに取材することで20年前の真実に迫り、日本の司法が抱える大きな問題を明らかにしたいと考えました。

次回予告

≫次回放送は4月30日(日) 深夜0時50分~

生き心地のいい町~徳島・海部の人々~

生き心地のいい町~徳島・海部の人々~

「映像'17」は、1980年4月に「映像80」のタイトルでスタートした関西初のローカル・ドキュメンタリー番組です。月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、放送開始から30年余が過ぎました。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。