毎日放送(MBS)


映像'12 毎月第3日曜日 24時50分~25時50分放送

映像'12

編集後記

去年3月に起きた東日本大震災をテーマに番組が制作できないかと考えた私が、初めて福島に入ったのはまだ、夏の余韻が残る去年9月の終わりです。移動する電車の窓から外を見ると、収穫を間近に控えた稲穂が風に揺れる光景がきれいでした。関西に住んでいるとすぐにはピンと来ませんが、福島は首都圏に住む人たちにとって田舎暮らしに憧れを抱いた時、真っ先に思い浮かべる場所だそうです。中でも福島県二本松市に合併された旧東和町の農家の方々は、移住者を積極的に受け入れてきました。この地を私が訪れた理由は、就農を夢見て福島にやってきた人たちがいま、どのような思いで生活しているのかということを知りたかったからです。ちょうどその頃は、米の放射性セシウムの予備検査で二本松市産の「ひとめぼれ」から、国の暫定規制値と同じ値を検出したと発表したばかりでした。旧東和町に住む農家では、将来に不安を抱く声が多く聞かれましたが、その中に「原発事故はすでに自分の中で整理がついた」と言う人がいました。その人こそ今回の番組で紹介した元官僚の関元弘さんでした。「この地域や人が好きで、住み始めた。良いことも悪いこともひっくるめて引き受ける」という関さんの言葉を私は、重く受け止めました。しかし、静岡での農産物の販売に同行取材したとき、商品がなかなか売れない現実に戸惑う関さんにかける言葉が見つかりませんでした。福島では春からの本格的な耕作再開を目前に控えています。福島県産の農産物を敬遠する消費者にも安心して食べてもらえるように対策を講じようといまも多くの関係者が奔走しています。さまざまな困難に直面しながらも、惚れ込んだ福島の土地にとどまり、安全でおいしいと消費者から喜ばれる農産物を育てようと懸命に頑張る人たちに私は、心からのエールを送りたいと思います。

次回予告

≫次回放送は5月20日(日) 24時50分~25時50分

老いを支える ~フィリピンから介護の現場へ~

老いを支える ~フィリピンから介護の現場へ~

「映像'12」は、1980年4月に「映像80」のタイトルでスタートした関西初のローカル・ドキュメンタリー番組です。月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、放送開始から30年が過ぎました。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。
「映像'12」は、1980年4月に「映像80」のタイトルでスタートした関西初のローカル・ドキュメンタリー番組です。月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、放送開始から30年が過ぎました。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。