ファッション界に君臨するトップデザイナー鳳麗香を演じる国生さゆりさん。熱烈な一条ゆかりファンでもある国生さんに鳳麗香役についてお伺いしました。

―国生さんは一条ゆかり先生の『プライド』(現在「コーラス」連載中)の大ファンだとか。『デザイナー』という作品はご存知でしたか?
30年前の作品ということで、読んでいなかったんですが、お話があった時に読んで、「この役は誰にも渡さないで!絶対やるから取って来て!!」とマネージャーにお願いしました。(「僕も絶対やるべきだと思いました。でも、最初、亜美をやるって勘違いしてたんですよ〜そんなわけないのに…」マネージャーさん裏話)

―原作の鳳麗香から役作りの影響を受けた部分はありますか?
一条先生の描く麗香は、デザイナーとしてのプライドや、自分の自己主張をする時、ほんとに異様なほど綺麗なんですよ。そんな麗香のイメージに少しでも近づければいいかな、と。顔の角度とか目線にも気を使って、出来るだけ原作の麗香のイメージを心がけました。

―麗香になりきるのは難しかったのではないですか?
私自身は、毎日あんな衣装を着ているわけでもないし、豪華な家に暮らしているわけでも、デザイナーでもない。美意識はそれなりにあると思いますが、麗香のように完璧に自分をプロデュースするのは苦手です。普段はダラけていたい方だし。でも麗香は常に全力を注いで、すべてが美しくなければならない。だから国生さゆりでは麗香になれない≠ニ思って、衣装や装飾、セットなど美術に頼る部分も大きかったですね。周りがきっちり作りこまれたことで、気持ちよく鳳麗香にしていただきました(笑)。スタッフの中でも「鳳麗香はこうじゃなきゃダメだ」という共通意識が生まれて来て、照明さんやカメラマンさんから「こうした方が麗香らしい」と言っていただけるようになりました。
―セリフの言い回しもすごいですよね。
台本のセリフがかっこいいの!すっごく細かく書かれているんですよ。「て・に・を・は」に至るまで計算された言い回しなのが、声に出した時にわかるんです。だから、当たり前のことなんですが、完璧にセリフを覚えてやらないとダメな役なんです。セリフでも麗香にしていただきました。

―麗香を表現するのに、一番気を使われた点はどこですか?
美意識やプライドの高さをどう表現するか、ですね。麗香は亜美や朱鷺にとって、絶対的に高い山で厚い壁でなければならない。そうでないと、面白くないでしょう。でも、気を抜けない麗香は疲れますね。セリフも普通なら「やめて!」ですむところを、「やめてちょうだい!」「おやめになって!」。声もお腹から出さなければならないし。回を追うごとに劇的なシーンが重なっていって、感情の起伏が激しくて大変。すごくパワーを使いました。

―ストレスがたまるのでは?
人をいじめているので、ストレス解消してます。役柄でね(笑)。でもたまに麗香口調で毒舌全開になることも。そんな時は「誰か私の口を縫って!」って叫んでます(笑)

―国生さんの見どころを教えてください。
私のみどころ?社長室とそれにコレクションがすごくきれいかな?でも、個人的な見どころより、「デザイナー」という作品を見て欲しいんですよ。クオリティを高くするために、スタッフがすごく苦労しているから。衣装もセットも、細かいところにまでこだわって…例えば亜美が作る服を実際にオリジナルで作っていたりとか。見ている人が気づかないようなところでしょうけれど、そんなひとつひとつの積み重ねも感じて欲しいですね。

―麗香役を経てこの先やってみたい役はありますか?
ここ何年かとても仕事には恵まれていて、ありがたいなーと思っています。役柄的には、気持ちの優しい役もやってみたいとは思いますね。麗香とは正反対の弱い女の役もやってみたいです。
―原作者の一条先生は『デザイナー』というタイトルに「人が人をデザインする意味をこめた」とおっしゃっていますが、国生さんが自分自身をデザインするとしたら?
つかんだと思ったら、つかめていなかった、っていう存在になりたいです。解られてしまうと、飽きられてしまうでしょ。解ったって思っても、「あれ?こんな面があった」って驚かせたい。この仕事は他人に興味を持ってもらうとともに、自分も興味を持ち続けなければ続かない仕事だと思うんです。だからいつも流れているっていうか、動いているイメージでいたいですね。

麗香役にエネルギー全開の国生さん。たまったストレスの解消は「ホテルの温泉!」。そこで台本も覚えているのだとか。そういえば、水没したと思われる台本がありました。学生時代の陸上部の血が騒いで『オールスター感謝祭』で「むしょうに走りたくなった」雄姿をご覧になった方もいらっしゃるのでは?

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