MBS 毎日放送

2016年7月26日は小松左京の生誕85年、没後5年にあたります。
小松左京は『日本沈没』『復活の日』など長編SFが有名ですが、多くのホラー短編も執筆しており、高い評価を得ています。
そのなかから選りすぐった8タイトルをMBSアナウンサーの朗読でお楽しみください!

小松左京(こまつさきょう、大阪生まれ、1931年 - 2011年)は日本を代表するSF作家。
1961年「地には平和を」でSF作家としてデビュー。
「日本沈没」「復活の日」など映画化された長編の名作や、「ゴルディアスの結び目」などの短編小説の名作も多数執筆している。
又、1970年の大阪万博のテーマ館のサブ・プロデューサー、1990年の国際花と緑の博覧会の総合プロデューサーを務めるなど、その才能は多岐にわたりました。

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オーディオブック(Audible) 作品リスト

「保護鳥」は1971年(昭和46年)小説新潮に掲載された作品。
異国の村人達に大切に保護されている鳥、その鳥に引き寄せられるように近づいた主人公が体験する壮絶な恐怖の物語。

■ 朗読担当アナウンサーから一言:森本栄浩

世界にはまだ人跡未踏の地が存在します。
そこには当然、人目に触れたことのない生物も。
命懸けでそこに飛び込んでいく勇気が、あなたにはありますか?

「影が重なる時」は1963年に「SFマガジン」に掲載された短編小説。
自分自身の幽霊を見たという人が、一人また一人と増えて行く、最初は半信半疑だった主人公もやがて自分自身の幽霊を見ることとなる、その謎を追う彼が最後にたどり着いたのは・・・。ミステリーの要素も加味されたSF的ホラー作品です。

■ 朗読担当アナウンサーから一言:上泉雄一

自分自身がもうひとり部屋にいる。でもその姿は他の人には見ることができない。
いったい何が起こっているのか・・謎解きの要素がありながら、最後に強いメッセージが込められている作品です。ぜひお聞きください。

「夜が明けたら」は1974年に「週刊小説」に掲載された短編小説。
地震そして突然の停電、夜明けを待って集まった人々に明かされる驚くべき現実、救いようのない恐怖がじわじわと広がっていくSF的なホラー作品です。

■ 朗読担当アナウンサーから一言:森本栄浩

夜の明けない日がやってくるって想像したことがありますか?
次々と日常が破壊され、そしていよいよあなたは、永遠の闇の世界に引き込まれていきます。

「すぐそこ」は1969年(昭和44年)週刊朝日に掲載された作品です。
田舎の人は基本的に親切ですが、時間感覚や距離感がややのんびりしすぎに感じることがあります。知らない土地で迷子になり、訊ねた人から目的地が「すぐそこ」との返事をもらえれば嬉しいもの。
主人公も山道で迷子になり、そんな田舎の人の親切心に救われるはずでしたが…。

朗読担当アナウンサーから一言
高井美紀

私は方向音痴なので、よく道に迷います。迷うと、すぐその辺の人に聞きます。主人公のように。ぐるぐるぐるぐる…。
他人事ではない気がしました。

「骨」は1972年(昭和47年)小説新潮に掲載された作品です。
主人公が庭に井戸を掘り始めると中から次々と大量の骨が。そしてりつかれたようにどこまでも深く井戸を掘り進めていく男が、最後に掘り当てた物とは…。 小松左京が得意とする遥かな時の流れというテーマを、ホラー短編に凝縮した不条理感あふれる物語となっています。

朗読担当アナウンサーから一言
田丸一男

地層から発掘される動物や人の骨から歴史をたどる男。あまりにも意外なオチに凄みを感じました。
ぞっとするぐらい怖い、戦慄を覚えるファンタジーです。

「まめつま」は1970年に「小説新潮」に掲載された短編小説で、作者自身が母親から聞かされた「まめつま」と言う妖怪を題材にしたホラー小説の傑作です。
ある家族を襲う凄まじい恐怖に圧倒されます。

朗読担当アナウンサーから一言
上田悦子

ありそうで、なさそうな、でもありそうな怖さ…。
普通の家庭にひたひたと迫る恐怖に、背筋が凍ります。

「霧が晴れた時」は1971年「別冊小説新潮」に掲載された短編小説です。
楽しいはずの家族での登山、霧が立ち込めることによって迫り来る恐怖、果たして霧が晴れた時には…。
小松左京が得意とした消失がテーマのSF的なホラー作品です。

朗読担当アナウンサーから一言
加藤康裕

楽しく登山していた家族を霧がつつみこむ。すべてを覆い隠してしまう霧が晴れた時、目の前に現れた世界は…。
じわじわと迫ってくる恐怖を味わってもらえれば幸いです。

「くだんのはは」は、1968年に「話しの特集」で発表されました。
『召集令状』と同様に、その物語の背景には、小松左京の戦争体験が大きく影響を与えています。
『くだんのはは』は、戦争末期のつらい日々を過ごす、小松左京の分身のような旧制中学の生徒である主人公の語りで、超自然的で恐ろしい「くだん」に纏わる、大きな渦のなかに吸い込まれるような、逃れがたい物語が展開されます。
ホラーとして大変評価が高いため、自身の作品集だけでなく、様々なホラーや幻想系のアンソロジーに選ばれ、未だに人気がある作品です。

朗読担当アナウンサーから一言
武川智美

作品のタイトルはなぜ、ひらがななんだろう…。
読み始める前の小さな疑問は、大きな恐怖へと変わっていきました。