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田丸 一男アナウンサーのブログ

田丸一男のことばエッセイ

「メイン」の表記はなぜ「メーン」か?

更新:2012年10月10日
「メーンゲート」という言葉がニュース原稿に出てきて、「メインゲート」ではないのか?と違和感を覚えました。外来語の表記、アナウンスについては日本新聞協会の「新聞用語集」というのがあって「外来語の書き方」もこれを参考にしています。それには「メーン」となっています。ところがNHKの「日本語発音アクセント辞典」(NHK放送文化研究所編)には「メイン」しか掲載がありません。いったいどういうことなんでしょうか?

★国語審議会が定めた「外来語表記の基準」では「メーン」と登録

私は、「メイン」と思って表記、発音してきたのですが、新聞やテレビの字幕では「メーン」と表記するように定められているようなんです。「mail」を「メイル」と書かないで「メール」と書いたり、「sale」を「セイル」ではなく「セール」と書くのと同じなんでしょうか。でも、英語の"main"発音記号は「mein」(eの上に’)ですので、英語の発音に近いのは「メイン」でしょう。「メーン」と発音すると外国人には通用しないかも知れません。私は「メイン」の方がしっくりくるし、「メイン」が普通だと思っていました。アナウンサーの同僚に聞いても、「メイン」じゃないかという仲間が多いです。「メインディッシュ」「メインストリート」・・・「メイン」の方がしっくりきませんか。ところが「メーンディッシュ」「メーンストリート」と表記することで統一されているんです。というのも、外来語の表記にはガイドラインがあります。1934年に設立された国語審議会が定めた「外来語表記の基準」(昭和29年3月国語審議会報告)です。ここには「Main」は「メイン」ではなく「メーン」と登録されているのです。90年近く前の基準が、今も守られていることになります。

★業界団体の調査では「メイン」を支持する人がほとんど

「取扱説明書」などをわかりやすくするための民間団体『テクニカルコミュニケーター協会』が作った「外来語(カタカナ)表記ガイドライン」(2008年3月)では次のように記されています。
●「ai」「a+子音字+e」「o」など、発音記号が"ei"、"ou"などのアクセントのある二重母音になる表記には長音を用い「ー」を充てる

アベレージ、インフォメーション、エスカレーター、エレベーター
オーディオ、オーナー、クリエーティブ、ケース、シミュレーション
スケール、チェーン、トレーナー、ネーチャー、ネーム、プレーヤー
ページ、メーカー、メッセージ、メール、レーザー

ただし、例外として次のように記されています。

●例外 ※括弧の数字は製品利用者への調査で馴染みがあると答えた人の割合
インターフェイス[59.1%]、ドメイン、ボウル[84.5%]、メイン[97.7%]、レインコート[99.5%]

つまり「メイン」だけは、ほとんどの人が支持しているということになります。アナウンスは変わっているのに新聞や字幕の表記は昔の基準のまま。「メイン」に変わっていくべきではないでしょうか?



プロフィール

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名前:田丸 一男
生年月日:1960年9月11日
入社年:1991年
出身都道府県:大阪府
出身大学:関西学院大学
趣味:ワインとイタリアン、クラシック音楽鑑賞、日本美術と印象派絵画
何でもひとこと:寝起きの良さが強み、朝一番からしっかり声が出せます。ナレーションにはこだわりがあって、硬派から軟派までOK。
もう9年、チェロ演奏が趣味。クラシック音楽が頭に常に流れていますし、庭の草むしりをしながらモーツァルトを口ずさみます。アイロン掛けや料理など家事が好きで、妻からは重宝がられていると思います。

担当番組

  • VOICE(月・火:ナレーション)

田丸 一男アナが千葉 猛アナを30秒で紹介します!